《七月二日(火)》カタカナの霊名ならぶ志願院からの手紙に西瓜の切手

東京拘置所内で洗礼を受けた袴田巌さんの霊名(洗礼名)はパウロ。袴田事件を学ぶシンポジウムの冒頭、「今日は六月二十九日、聖パウロの祝日です。袴田さんは霊名パウロ、私の霊名もパウロです」と大塚喜直司教の挨拶があった。いわゆる「袴田事件」と呼ばれている強盗殺人放火事件が起きたのは、一九六六年六月三十日未明。事件現場から「こがねみそ事件」と言うべきだが、袴田さんに襲いかかった冤罪事件という意味で「袴田事件」と称している。

著者略歴

大口玲子(おおぐち・りょうこ)

1969年東京都大田区生まれ。宮城県仙台市、石巻市を経て、現在は宮崎県宮崎市在住。1998年、「ナショナリズムの夕立」で第四十四回角川短歌賞受賞。
歌集に『海量ハイリャン』、『東北』、『ひたかみ』、『トリサンナイタ』、『桜の木にのぼる人』、『ザベリオ』、『自由』、歌文集に『セレクション歌人5 大口玲子集』『神のパズル』がある。「心の花」会員。宮崎日日新聞「宮日文芸」短歌欄選者。牧水・短歌甲子園審査員。

 

 

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バックナンバー

  • 7月4日:白髪のキョンキョンが来る宮崎は猛暑日 日傘をまはしつつゆく
  • 7月3日:西南西、風力4の風が来て日焼け止めにほふ頬なでてゆく
  • 7月2日:カタカナの霊名ならぶ志願院からの手紙に西瓜の切手
  • 7月1日:自転車の充電を待ち夜を待ち伏目がちに来る雨を待つなり

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