岡田和子句集『白桃(はくとう)』。

四六判ハードカバー装 184頁 二句組
著者の岡田和子(おかだ・かずこ)さんは、昭和3年(1929)東京生まれ、今年で96歳となられる。「馬醉木」の俳人・岡田貞峰氏の夫人である。いまは、介護施設におられて療養中であるので、この句集の製作にあたっては、岡田貞峰氏とご子息の岡田岳郎さんが中心になって進められた。貞峰氏が「あとがきにかえて」を書かれている。和子さんは、昭和28年より「馬醉木」へ投句、34年まで続けられたが、出産育児等で家事が多忙となり投句を中断された。しかし、昭和49年(1974)投句を再開され、昭和53年(1978)「馬醉木新人賞」を受賞、昭和55年(1980)「馬醉木」同人、平成2年(1990)『馬醉木」賞受賞、投句はその後病気の療養のため休止されるまで平成29年(2017)年まで続けられた。俳人協会会員。本句集は、第1句集であり、約50年間の句を収録したものである。「序にかえて」を徳田千鶴子馬醉木主宰がよせている。
馬醉木新人賞を受賞された「白桃」の句をもって、本句集のタイトルとされたのである。
そしてこの句をご自身で書いた短冊を口絵とされたのだった。

本句集の装釘は、君嶋真理子さん。
「白桃」のイメージを大事にしつつ、
上品にデザイン化されたものとなった。



タイトルはパール箔。
本句集のカバーの用紙は、しっとりと水分を含んでいるようなものである。
これは手にとってもらえないとわからない。




布クロスはかぎりなく白に近いピンク。


ピンクの栞紐。


花布もピンク。

(ふらんす堂「編集日記」2024/7/19より抜粋/Yamaoka Kimiko)