父母2025.5.21

 

 

掛井広通句集『父母(ちちはは)』

 

 

 

 

四六判ソフトカバー装帯あり 230ページ 二句組
掛井広通(かけい・ひろみち)さんの第4句集となる。2013年(平成25)から2025年(令和7)までの句を収録している。本文の構成は、基本的には編年体であるが、章の最初に「父」、最後に「母」の章をおき、句集名の「父母」に対応するような構成である。父がなくなったことから本文ははじまり、母の介護で終わっている。その間に12年間の俳句が収録されており、「父」「母」をふくめて時間の流れも自然なのであると思うが、編集によって読者には読後感として「父」「母」がつよく印象づけられられることになる。
掛井広通さんは昭和38年(1963)生まれ、俳誌「小鹿」「鷹」「沖」を経て、現在「くじら」同人。俳人協会会員。第1句集『二十五歳』、第2句集『孤島』第3句集『さみしき水』 につぐ句集となる。本句集に、「くじら」の中尾公彦主宰が跋文を寄せている。

 

 

装釘は、君嶋真理子さん。
「父母」という集名は、装釘をするのがむずかしかった。
その課題を君嶋さんは、樹木の静かな佇まいの風景のなかに表現した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すべてが落ち着いた配色である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(ふらんす堂「編集日記」2025/5/12より抜粋/Yamaoka Kimiko)

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