菊判変型ハードカバー装 228頁
著者のすゞき素宇(すう)さんは、1939年東京生まれ、千葉・八千代市在住。2002年に俳誌「銀化」に入会、2007年「銀化」同人、本句集は第1句集であり、序を中原道夫主宰、跋を「銀化」同人で能面師の大月光勲氏が寄せている。
本句集の装丁は中原道夫氏である。
荘重にしてスマートな一冊となった。
表紙の色は日本の伝統色の老緑(おいみどり)をやや淡くしたような渋色で、クロスは光沢のあるもの。
「無」「何」「有」と平面にななめに空押しがされている。
見返しは、蘇芳(すおう)色。
この蘇芳色は蘇枋の液汁の色で、奈良朝時代からある染料である。
粋人にふさわしい深みのある赤である。
扉。
花切れは飴(あめ)色。
栞紐は代赭(たいしゃ)色。
花布といい、栞紐といいまことに心憎い中原さんのセンスがひかる。
風格と迫力のある一冊となった。
(ふらんす堂「
編集日記」2018/2/27より抜粋/Yamaoka Kimiko)