無何有2018.3.6

 

 

 

すゞき素宇句集『無何有(むかう)』

 

 

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菊判変型ハードカバー装 228頁

 

著者のすゞき素宇(すう)さんは、1939年東京生まれ、千葉・八千代市在住。2002年に俳誌「銀化」に入会、2007年「銀化」同人、本句集は第1句集であり、序を中原道夫主宰、跋を「銀化」同人で能面師の大月光勲氏が寄せている。

 

 

本句集の装丁は中原道夫氏である。

 

荘重にしてスマートな一冊となった。

 

 

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表紙の色は日本の伝統色の老緑(おいみどり)をやや淡くしたような渋色で、クロスは光沢のあるもの。

 

 

 

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背の文字は光沢のある銀箔。

 

 

 

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「無」「何」「有」と平面にななめに空押しがされている。

 

 

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見返しは、蘇芳(すおう)色。
この蘇芳色は蘇枋の液汁の色で、奈良朝時代からある染料である。
粋人にふさわしい深みのある赤である。

 

 

 

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扉。

 

 

 

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花切れは飴(あめ)色。

 

 

 

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栞紐は代赭(たいしゃ)色。
花布といい、栞紐といいまことに心憎い中原さんのセンスがひかる。

 

 

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風格と迫力のある一冊となった。

 

 

 

 

(ふらんす堂「編集日記」2018/2/27より抜粋/Yamaoka Kimiko)

 

 

 

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