2025.9.15 水澄むやねじ切り終へて昼の笛
2025.9.15 当時もしDNA検査なる在りて調ぶれば必ず叔父ならざらむ
2025.9.14 黒塗りの刷毛に月夜茸の匂ひ
2025.9.14 白木の箱開きて見れば二三筋頭髪の如き在りて遺品と
2025.9.13 秋草や背の箔押しを斜に積む
2025.9.13 わが叔父もビルマの野辺に戦病死しませりと夕べ報せ到りぬ
2025.9.12 ひぐらしや染料煮立つ鄙の庭
2025.9.12 向う三軒両隣なる結界に必ず在りき戦死・戦病死
2025.9.11 秋海棠インクの染みみたいな痛み
2025.9.11 日々他を死なしめて日々我生くる我の死なむは他生きむため
2025.9.10 コインランドリー秋の靴下だけ戻る
2025.9.10 生くる者生くるは死にし者死にしその犠の上ぞ勿忘れそ斎め