2025.4.13 ファドのなき枝のさくらが夜を照らす
2025.4.12 逃げ水をまたいだときに鳴る拍手
2025.4.11 「ごめん」って言われたあとも咲いていた
2025.4.10 煮豆なるわれにアザーン遠き春
2025.4.9 アネモネや幻都にひとつ塩の門
2025.4.8 湯を抱きて眠るネフェルの頬に花
2025.4.7 桃ひらく古書の行間うっすら雨
2025.4.6 鳴るまえのベルのようなる麻疹かな
2025.4.5 馬酔木咲く儀礼の皿に日を沈め
2025.4.4 沈丁花ひとりごとの向きが変わる
2025.4.3 木蓮のしろきを淡めミルラ煮ゆ
2025.4.2 蓴生う起爆せぬ語のピンを抜く