Salmi Salco.詩集『夢の、感触』(ゆめの、かんしょく)。

四六判変型ハードカバー装 132頁
著者のSalmi Salco.さんの第1詩集となる。
Salmi Salco.はペンネームである。本書においては、収録されているのは59篇の短い詩篇のみであり、それ以外の情報はない。全体はⅠからⅦまでのパートにわけられている。
わたしたち読者は、未知の人の言葉に立たされそして言葉と出会うのである。
その言葉をとおして、おぼろげながら立ち上がってくる詩人の手触りを感じるのである。
Salmi Salco.さんは、読者がなにも持たずにただただ言葉の前に立つことを願っている。
あるいは言葉と言葉の行間にあるもの、そこから立ち上がってくるもの、何かを感じ、何かを掬いとって欲しいと願っている。
本詩集の装丁は和兎さん。
Salmi Salco.さんがふらんす堂に原稿をもって来られたとき、すでに本詩集のイメージはあった。



装丁に使ったのは、原稿をまとめて本の形にした際にお姉様がデザインしたシダの葉の写真。
やさしい色遣いにしたい 。というのがご本人の希望。

天地をカットして正方形に近づけ、やや小ぶりなのがこの詩集にはよく合っている。

タイトルはツヤ消しの金箔押し。
金箔であるがかなり銀にちかい金箔である。

葉の色にひびきあった表紙。




扉。



美しい詩集である。
(ふらんす堂「編集日記」2019/1/9より抜粋/Yamaoka Kimiko)