ミシマをめぐる断想/「む」で眠る2021.8.21

 

五六歩句集『ミシマをめぐる断想/「む」で眠る』(みしまをめぐるだんそう/「む」でねむる)

 

01

 

 

A6判(文庫サイズ)フランス装グラシン巻帯あり 80頁 
小さな本である。「ふらんす堂文庫」の大きさである。
どのくらい小さな本かといえば、

 

 

02

 

インク壺と並べてみた。
瀟洒かつ小さな一冊を、著者である五六歩(ごろっぽ)さんは、望まれたのだった。
著者の五六歩さんは、1949年名古屋市生まれ。2011年「卯波俳句会(現「俳句集団縷縷」)入会。2012年「船団の会」に入会し、2020年の散会まで会員。五六歩さんは、2005年にパーキンソン病を発症し、現在も闘病をつづけておられる方である。今回句集をお作りするにあたって、担当の文己さんとの連絡がすこしたいへんな部分もあった。
しかし、こうして無事に一冊になったことを喜びたいと思う。

 

本句集の装釘は、君嶋真理子さん。
五六歩さんのご希望で、画家・小川博の装画を表紙絵として用いた。

03

 

細密に描かれたペン画である。

 

 

04

 

掌にのるようなサイズであるが、手作りのたいへん凝った一冊である。

 

本当に小さい。
しかし、出来上がってきたときに、「ああ、いいわねえ」と言って思わず胸にだきしめたほど、素敵な一冊となった。
「こういう本っていいわねえ。おしつけがましくなく、どうだっていう感じでもなく、そっとそこに置かれていても、本自体が語り出すような一冊」とわたしはうっとり。
製本屋さんは、「ふらんす堂さんがまた凝った本をつくる」と言いながら頑張ってくれた本である。
製本屋さんのAさんは電話口で言う。「なんせ手作業ですからねえ」と。

 

05

 

丁寧に折られた袖。

 

06

 

扉。

 

07

 

 

08

 

 

 

 

09

 

 

美しい一冊となったことを五六歩さんは、たいへん喜んでくださった。

 

(ふらんす堂「編集日記」2021/8/10より抜粋/Yamaoka Kimiko)

俳句結社紹介

Twitter