花束2020.12.1

 

森雄治著『花束』(はなたば)

 

2018年11月に刊行された詩集『蒼い陰画』の著者 森雄治さんの作品集である。
と言っても森雄治さんはすでに亡くなっている。
詩集『蒼い陰画』は森雄治さんが17歳から20歳までに書いた詩をまとめたもので、刊行するやその詩壇にある衝撃をあたえたほどの力量のある完成度の高い詩集であった。
画家である兄の森信夫さんによって編まれたもので、この度の作品集『花束』も森信夫さんが、残されたノートなどの資料の丹念な読みをとおして一冊にまとめられたものである。

 

 

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四六判ペーパーバックスタイル帯あり 158頁  装丁・君嶋真理子  装画・本文挿画・森信夫

 

本作品集は、小説、散文、映画論、批評、短歌、俳句など文芸のさまざまなジャンルにわたって書かれたものである。

 

 

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この作品集の素敵なところは、お兄さまの信夫さんの作品によって飾られていることである。
表紙に一葉、本文に四葉。
どれも「夢」の匂いをさせている。

 

 

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四葉のうちの一葉。

 

 

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挿画を描くにあたって、不安定な夢の雰囲気を出すために、モノタイプなどの版画によく似た手法を取り入れて、ねじれた、あいまいな空間、影や残像、隠し絵的なイメージを潜ませました。

 

と森信夫さん。

 

この作品集のために、描かれたものである。

 

 

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君嶋真理子さんが、今回も美しい本に仕上げてくれた。

 

 

 

(ふらんす堂「編集日記」2020/11/25より抜粋/Yamaoka Kimiko)

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