金澤杏子句集『鷹翔てり』。
四六判フランス装。206頁
著者の金澤杏子さんは、昭和18年(1943)東京生まれ、現在は東京・多摩市在住。長野県にもお家があってときどき農業をしに帰られる。今もご主人と一緒に長野に行かれていてまもなく東京に帰られるとのことである。子育てが一段落してよりホトトギス同人の河野美奇さんの下で俳句を学ぶ。平成14年(2002)に俳誌「花鳥来」(深見けん二主宰)に入会、現在に至る。俳人協会会員。本句集は「花鳥来」以後の作品を収めた第1句集である。序文を深見けん二主宰が寄せている。
本句集の装丁は、君嶋真理子さん。
フランス装である。
グラシン(うす紙)を巻いてあるので、写真に撮ると全体がちょっと靄がかかったようになる。
「鷹」という文字がはいる句集名はなかなか難しい。
インパクトのある言葉であり、生き物であるので、フランス装のような瀟洒なつくりの本は、どう表現するか。
鷹の羽を図案化したものを配して、繊細な一冊となった。
見返しのマーブル模様。
おなじ用紙を帯にも用いた。
(わたしは個人的にこの用紙が大好き、今回もおすすめの紙だった)
扉。
花布。やさしい膚色。
瀟洒にしてタイトルにふさわしい気高い一冊となった。
(ふらんす堂「
編集日記」2018/4/17より抜粋/Yamaoka Kimiko)