田中葉月句集『子音』(しおん)。
第一句集シリーズ、第三回配本である。
A5判ペーパーバックスタイル。72頁 4句組。
著者の田中葉月(たなか・はづき)さんは、昭和30年(1955)岡山生まれ、現在は福岡県筑紫野市在住。俳句同人誌「豈」同人、現代俳句協会会員。俳人の秦夕美さんに俳句を学んでおられる。
「子音」は、若葉の色である。
「葉月」という名前に響きあわせた。
爽やかな一冊となった。
色を正確に言うと、VERT ACIDE ヴェール・アシード フランスの伝統色である。
訳すと「酸性の緑」とある。「酸性は刺戟的で酸っぱい味覚をいう。例えばオゼイユ(酸葉=非常に蓚酸が強く北半球に多く、初夏に淡緑色の小花をつける)に見られるような色。」
さまざまな緑の中から、和兎さんが葉月さんのために選んだ緑である。
(ふらんす堂「編集日記」2018/8/1より抜粋/Yamaoka Kimiko)