岩﨑昇一詩集『浮世の櫂』(うきよのかい)。

A5判ソフトカバー装帯有り 76頁
岩﨑昇一(いわさき・しょういち)さんは、
詩集『迂闊の人』を2018年の12月に上梓されており、本詩集はそれにつづくもの。巻末の「覚書」には、
「二〇一九年の年明けから一年間書きためた作品から三十三篇を選んで一冊にまとめた。」とあり、昨年2019年の年末に原稿の入稿があったのでおよそ前詩集上梓後の一年で書き上げたものである。収録作品は33篇、すべて見開き頁で読めるものである。ただし、詩の長さにはやや差があって、レイアウトに工夫を凝らした。

タイトルをすべて詩行の位置より上に置いた。
レイアウトの美しさをそこねず、著者の思いをみたすものとなった。
詩集名は「浮世の櫂」。
「浮世」とは「この世」のことであり、「憂き世」でもあり「無常の世」のことと考えてもいい。そこに棹さしている、ということ。
本詩集の装丁は、前詩集とおなじく和兎さん。

著者は最初はこれまでの詩集とおなじようにグラシン(薄紙)卷を希望されたが、このデザインは薄紙をまかない方が迫力を感じさせるので、岩﨑さんの了解を経て、グラシンなしで。

詩集のもっている混沌のエネルギーとよく和している。




カバーをとったところ。

表紙。

見返し。


(ふらんす堂「編集日記」2020/3/23より抜粋/Yamaoka Kimiko)