大牧広句集『朝の森』(あさのもり)。

四六判ハードカバー装 180頁
俳人・大牧広の第十句集となる。平成28年から30年までの作品を収録。大牧広氏は、いまふらんす堂の連載サイト「俳句日記」を担当されておられ、精力的にとり組んでくださっている。





表紙は深緑の布クロスに白の箔押し。


扉。

花切れはグリーンと白。



一本の芒諦めてはをらず
一本の芒にわが身をたくして表現した。
このか細い芒には大牧広の意志と気魄がすみずみまで行き渡っている。すでに年老いてしまい、一本の芒のようにか細い存在となりはてたが、まだまだ決して諦めない、という不屈の闘志が見える。
この心意気が、本句集『朝の森」をつらぬいているものだとわたしは思う。
その精神をかたちにするものが、大牧広にとっては、俳諧なのだと思った。
(ふらんす堂「編集日記」2018/12/3より抜粋/Yamaoka Kimiko)