五十畑明句集『薔薇』(ばら)。

著者は五十畑明(いかはた・あきら)さん。私家版として上梓された。1944年栃木県宇都宮市生まれ、千葉県千葉市在住。ある日お手紙をいただき、ご自身の記念のためにこれまで作ってきた俳句をまとめられたいということであった。すでにどういう本にするかというイメージと内容編集はご本人のなかに明確にあり、わたしたちはそのご本人のご意向に添って、本づくりをおすすめしたのだった。
一冊となって拝読すれば、五十畑明さんの人生への述懐が、俳句という形式を借りて詠み込まれていると言ってもよいのかもしれない。
本句集の装幀は君嶋真理子さん。
著者の五十畑さんの明確にあるご希望を、そのお気持ちにそってデザインしてくれた。




表紙は深紅。
タイトルは金箔。

薔薇を空押し。

見返しはマーブル模様。

扉。



表紙の深紅が美しい。

天国に薔薇一輪のあればよし
薔薇は著者にとって格別の花なのである。「薔薇」と本句集を名づけた所以がわかる一句だ。
(ふらんす堂「編集日記」2019/1/23より抜粋/Yamaoka Kimiko)