散斑2019.2.28

 

田桐美流句集『散布』(ばらふ)

 

 

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四六判変型フランス装 136頁 一句組

 

著者の田桐美流(たぎり・みりゅう)さんは、フランス文学者である。女子美大で教えておられるがこの3月に退職をされるのである。その「卒業」記念として、「あとがき」によれば、「いわば自主的な卒業制作である。」ということで、本句集『散斑』を上梓された。田桐美流さんは、1953年、東京生まれ、現在は東京・東村山市にお住まいである。俳誌「玉藻」の同人、本句集には「玉藻」主宰の星野高士氏が序文をよせておられる。序文によれば、通常の句集上梓には時すこし早しの感がないわけではないがと記しながらも、「卒業記念」としての句集上梓という著者の気持ちを大切に星野高士主宰もあたたかな序文を寄せられている。

 

 

 

本句集の装幀は、藤田千鶴さん。
田桐さんの女子美の教え子であり、まだ学生であるが、テキスタイル作家として仕事をしておられる女性だ。

 

 

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見返しは淡いピンク。
扉の前に遊び紙をはさんだ。

 

 

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この白の和紙の薄紙をめくるとすっきりとした扉が現れる。

 

 

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一句組。

 

さらに素敵なのは、各章のとびらにカットを配したこと。

 

 

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こんな風に。

 

すみずみまで著者の思いが行き渡った句集となった。

 

 

 

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(ふらんす堂「編集日記」2019/2/27より抜粋/Yamaoka Kimiko)

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