山地映子歌集『パリの日照雨』(ぱりのそばえ)

四六判変型上製帯カバー装
著者の山地映子(やまぢ・てるこ)さんは、昭和24年(1949)香川県高松市生まれ、平成19年(2008)「星座の会」に入会、本歌集は、平成19年(2017)から平成28年(2016)までの「星座」「星座α」より341首を自選して編んだ第1歌集である。
歌集を読んでいくとわかるのだが、歌集には海外の風景が多く登場する。日常の風景の合間に措かれた海外の作品群は、歌集の世界をひろげ物語性を与えている。日常をみつめる著者の深く広やかな視点は、海外に身をおくことの多かった経験による者かもしれない。
本歌集の装丁は和兎さん。
黄色とブルーにこだわられた山地映子さんのご要望をいかす一冊となった。

この本の大きさも山地さんにはこだわりがあった。通常の四六判よりやや天地をけずったもの。

帯カバーにパリの風景の写真を使う。


広げるとこんな感じ。

角背であるのも個性的だ。

表紙は黄色のクロス。
文字は青のメタル箔

見返しは鮮やかなブルー。

扉。

天アンカットにして、栞紐はブルー



すこし正方形にちかくなった大きさである。
わたしはこの大きさの本がとても好きである。
(ふらんす堂「編集日記」2019/4/2より抜粋/Yamaoka Kimiko)