大牧広句集『俳句日記2018 そして、今』(そして、いま)。

四六判変形上製本帯あり。 388頁
すぐる4月20日の急逝された大牧広氏の新刊本である。
昨年の2018年1月1日から12月31日まで、ふらんす堂のホームページの連載webサイト「俳句日記」に連載したものを一冊にまとめたものである。
ゲラに目を通されて、寄贈者への名簿も整えられて、あとは本ができあがるのを待つばかりの時に亡くなられてしまった。
唖然とするばかりだった。
第10句集にあたる
句集『朝の森』が、本年度の蛇笏賞を受賞し、6月の授賞式を控えての矢先であった。
本書を開けば、大牧広氏の肉声が立ち上がってくる。
あの声が聞こえてくる。
そして氏に出会えるのである。
連載期間中、一日たりとも原稿が遅れたことはなかった。
「俳句日記」といえども、現実の日記ではなく、一週間ほど先取りをしてもらって書いていただくのだが、毎週一回、一週間ごとの日記原稿をまとめていただいていたのだが、不思議なことにこうして日記として一冊になってみると、まさにリアルな日常を綴った感がするのである。







黄色の花布と栞紐があたたかい。

東京生まれの大牧広先生らしいスマートな装丁となった。
(ふらんす堂「編集日記」2019/5/22より抜粋/Yamaoka Kimiko)