伊藤晴子句集『さくらさくら』。

四六判ハードカバーフレキシブルバック装帯有り 二句組
俳誌」春嶺」主宰の伊藤晴子さんの第1句集である。伊藤晴子(いとう・はるこ)さんは、昭和15年(1940)横浜生まれ、現在は東京・八王子市在住。昭和56年(1981)「春嶺」入門、昭和61年(1986)春嶺賞受賞、平成3年(1991)真間賞受賞、平成16年(2004)往来賞受賞、平成25年(2013)春嶺編集長、平成29年(2017)春嶺主宰となられ現在にいたる。本句集に「春嶺」前主宰の小倉英男さんが跋文を寄せている。

本句集の装釘は間村俊一さん。
著者の伊藤晴子さんのご希望である。
「さくらさくら」という句集名は、デザイン化するのは難しいと思う。
しかし、さすが間村さんである。
これまでにない「さくら」のイメージの1冊となった。

色彩は決して華やかな色合いのものではないが、全体から立ち上る雰囲気ははんなりとして、ほのかに桜色を感じさせる。
文字を金箔にしたのも、効果的だ。
たくさんの箇所を金箔で押しているのだが、品格をそこねず、空白も生きている。


帯にやっと朱色系が入る。
そんなカバーをひらくと、

桜色の表紙があらわれる。
非常に効果的である。




扉。

角背である。


フレキシブルバックにより開きがいい。

美しい一冊となった。
(ふらんす堂「編集日記」2021/11/8より抜粋/Yamaoka Kimiko)