藤井啓子句集『輝く子』(かがやくこ)。
46判ソフトカバー装。218頁。
著者の藤井啓子さんは、昭和29年(1954)神戸市生まれ、神戸市在住。俳句は昭和54年(1979)「九年母」入会、昭和60年(1985)「ホトトギス」野分会に入会、平成12年(2009)に「ホトトギス」同人。平成22年(2010)「円虹」入会して現在に至る。この間、朝日俳壇年間賞(2回)や日本伝統俳句協会新人賞などを受賞されている。
本句集は、昭和54年(1979)から現在までの38年間の作品を収録した第1句集で、序句を稲畑汀子氏、序文を稲畑廣太郎主宰が寄せている。藤井啓子さんは、この平成28年の3月を以て高校の教員生活を退職された。俳句を始められたのと教員生活を始めれたのがほぼ重なるという藤井啓子さんである。「退職を一つの区切りとして句集をまとめようと一大決心をしました。」と「あとがき」にある。本句集を読み進めば、一人の働く女性の生活がみえてくる。ご自身の子どもを育て、また教師としておおくの子どもに接する日々である。平成7年(1995)1月17日の阪神淡路大震災の被災経験もおありだ。それでもこの38年間、俳句を止めることなく詠み続けてこられた藤井啓子さんである。そのご自身の半生がつまった第1句集となった。
稲畑汀子氏による序句。
本句集の装釘は和兎さん。
キラキラと輝くような一冊となった。
タイトルと罫のみが金箔押し。
シンプルなデザインである。
見返しの黄色がカバーの色と響きあっている。
表紙。
扉。
カバーの表紙も光沢があるが。
しかし、品格がある輝きだ。
見返しの黄色がきき色である。
句集『輝く子』には、たくさんの輝きが息づいている。
(ふらんす堂「
編集日記」2017/3/10より抜粋/Yamaoka Kimiko)