四六判ソフトカバー装。232頁。 二句組。
著者の笹下蟷螂子(ささか・とうろうし)さんは、昭和43年(1968)生まれ、京都市在住。平成元年(1989)に「愛媛若葉」にて稲荷島人に師事し俳句をはじめる。途中中断があり、平成19年(2007)「若葉」「天為」に入会、平成20年(2008)「愛媛若葉」同人、平成22年(2010)「若葉新人賞」受賞、平成22年(2012)「若葉」同人、「天為」同人、鈴木貞雄、有馬朗人に師事。本句集は、平成元年から平成29年まで約18年間の作品368句を収録した第1句集である。序文を有馬朗人主宰、序句を鈴木貞雄主宰が寄せている。
本句集の装丁は、君嶋真理子さん。
笹下蟷螂子さんは、紺色にこだわられた。
なんどかのやりとりを経て、お気にめした紺の色となった。
タイトルはツヤ消しの金箔。
表紙。
用紙はカバー、表紙ともに「岩肌」というちょっとゴツゴツしたものを使った。
扉。
星座よりこぼれてきたる忘れ雪
句集名となった一句である。「忘れ雪」とは、「名残の雪」や「終雪(しまいゆき)」とも言い、「春半ばを過ぎての、降りじまいの雪のことをいう。春の季語だ。美しい言葉である。ツヤ消しの金箔を用いたことによって春の「あたたかさ」を感じてもらえたらという意匠である。
(ふらんす堂「
編集日記」2017/10/3より抜粋/Yamaoka Kimiko)