松下道臣句集『憤怒(ふんぬ)』。
四六判ハードカバー装 178ページ。
著者の松下道臣(まつした・みちおみ)さんは、昭和16年(1941)年東京下谷稲荷町に生まれ、現在は台東区・元浅草に住んでおおられる。生粋の下町っ子である。昭和39年(1964)に「歯車」「暖流」に入会して俳句を始められる。「暖流」同人を経て、昭和62年(1987)「雷魚」創刊同人、平成9年(1997)「萱」創刊同人。現在は「萱」同人、現代俳句協会会員である。句集に『まんまる』
『足形』がある。この『足形』は、2013年にふらんす堂より上梓されたものである。そのご縁での第3句集である。2013年から2017年の作品を収録。
装丁の君嶋真理子さんは、松下道臣さんのご希望をとてもスマートに実現してくれた。
赤が主体の本はなかなか難しいのだが、しかもタイトルが「憤怒」。
雁字搦めになってしまうところをすっきりとデザイン化した。
タイトルは黒メタル箔。
帯のレモン色は著者のたってのご希望。
表紙はぐっと渋く。
限りなく黒に近いグレー、消炭色(けしずみいろ)がいい。
タイトルも黒メタル箔である。
見返しは赤。
扉も赤。
表紙の消炭色によって、赤がさらにひきたつ。
赤が差し色となっている。
前句集『足形』同様、今回の出来上がりもたいへん満足していただいた。
お身体を大切にされてご健吟に励んでいただきたいと願っております。
(ふらんす堂「
編集日記」2018/6/4より抜粋/Yamaoka Kimiko)