耳澄ます2022.8.5

 

甲斐由起子句集『耳澄ます』

 

 

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四六判上製(布表紙)帯あり  198頁 二句組
甲斐由起子(かい・ゆきこ)(1964~)さんの第三句集となる。甲斐由起子さんは、井本農一に師事することによって俳句をはじめ、のち俳誌「天為」に入会し有馬朗人に師事。平成18年(2006)には「天為」新人賞受賞。平成14年((2002)に第2句集『春の潮』を上梓。平成18年(2006)に評論集『近代俳句の光彩』(角川書店)を上梓。平成24年(2013)に第2句集『雪華』を上梓。この句集『雪華』で、第36回俳人協会新人賞を受賞されている。「天為」同人。俳人協会会員。日本文藝家協会会員。俳文学会会員。
本句集は、平成24年(2012)から令和3年(2021)までの作品340句を収録。この間、お父さまを亡くされ、そして師・有馬朗人を失った。前句集『雪華』は亡き母へ捧げられた句集である。本句集は、亡き師へ、なき父へ、そして亡き母をふくめて今は亡き有縁のひとたちへささげられた句集である。

 

 

本句集の装釘は君嶋真理子さん。
カバーは付けないで、布クロスの表紙のみというのは、甲斐由起子さんのご希望だった。
表紙のクロスをいろいろと御覧になって、甲斐さん、この涼やかな色に決められた。

 

 

 

 

 

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この布クロスの色の名は、「秘色(ひそく)」という日本の伝統色である。
秘色(ひそく)とは、青磁の肌の色のような浅い緑色のことで、焼き物の青磁の美しい肌色を模した色名です。
とのこと。
この色に出会って甲斐由起子さんは、とても気にいり、喜ばれた。

 

 

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タイトルと名前は金箔押し。

 

 

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見返しは金箔と銀箔を散らしたもの。

 

 

 

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扉。

 

 

 

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花布は金。
栞紐は白。

 

 

 

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この1冊を手にした方はきっと、涼しさを味わったのではないだろうか。。

 

 

 

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(ふらんす堂「編集日記」2022/7/29より抜粋/Yamaoka Kimiko)

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