矢島渚男著『歳華片々―古典俳句評釈』(さいかへんぺん こてんはいくひょうしゃく)。

四六判ハードカバー 206頁
俳人・矢島渚男による古典俳句評釈である。本著には109人の近世俳人がその作品をもって登場する。その豊饒さにふれることのできる一書である。本書は、俳句総合誌「俳壇」に2004年1月号から2008年12月号までの5年間に亘ってその月の季題に合わせて連載したものである。それを月別に編集しなおして加筆訂正をくわえ収録し読みやすくした。本書を繙いてまず驚くのは近世における俳人たちのビビッドな活動ぶりである。貞門派や談林派にはじまって俳諧の流れはいきいきとその命脈をつないでいく。その人間模様を作品をとおして新鮮に浮き上がらせるのである。
本著の装幀は君嶋真理子さん。










わたしたちも本書をとおして、新しい一句を発見、あるいは再発見することができたらと思う。
(ふらんす堂「編集日記」2018/10/25より抜粋/Yamaoka Kimiko)