藤本夕衣句集『遠くの声』(とおくのこえ)

四六判仮フランス装カバー掛け 188頁
著者の藤本夕衣(ふじもと・ゆい)さんは、昭和54年(1979)年生まれ愛知県出身、現在は神奈川県川崎市在住。平成16年(2004)「ゆう」に入会し田中裕明に師事。平成17年(2005)「ゆう」終刊後「晨」「泉」に入会、大峯あきらに師事、綾部仁喜に師事。平成20年(2008)泉新人賞受賞、平成26年(2014)泉賞受賞。「泉」同人を経て、現在「晨」同人、「静かな場所」同人。俳人協会会員。
本句集は、第1句集『風水』(私家版)につづく第2句集となる。
帯に中嶋鬼谷氏が言葉を寄せている。
本句集の装釘は和兎さん。
ご友人の画家・伊藤香奈さんの作品を装画に、というのが藤本夕衣さんのご希望だった。

表紙に絵を印刷して、透明な用紙をカバーとした。
「遠さ」を感じてほしいというのが和兎さんの思い。
帯は省略してカバーにすべて印刷することに。
文字はすべて金のインクで刷る。


タイトルと名前は伊藤香奈さんが書かれた文字をそのまま使用。


カバーをはずすと、

絵が現れる。
伊藤香奈さんがこの句集のために描かれた作品である。




扉の用紙もカバーと同じにして次のページの文字が透けてみえるように。

栞紐は見返しと同じ色に。


たっぷりとした詩情を感じさせる一冊となった。
(ふらんす堂「編集日記」2019/3/20より抜粋/Yamaoka Kimiko)