井上文彦句集『往診の午後』。

四六判フランス装帯有り 198頁 二句組
著者の井上文彦(いのうえ・ふみひこ)さんは、昭和28年(1953)滋賀県生まれ、現在は滋賀県大津市にお住まいである。集名からも想像できるように医師でおられる。開業医のかたわら俳句をつくられて来られたのである。結社には所属せず、讀賣新聞の滋賀版に投稿しながら独学で俳句を学んで来られた方である。
本句集の装幀は君嶋真理子さん。
「希望した通りの素敵な本になりました」と井上文彦さんは喜んでくださった。






見返し。
メインカラーはグリーン。
ブルーのものと二種類用意したが、グリーンのものをお選びになった。

扉。

栞紐は、白。


往診の帰路はつかの間花人に
この一句。臨床医というハードな医業に携わりながら、心はつねに季節に開かれている作者の姿がある。
本句集にはその姿勢が貫かれている。
それが素敵だと思う。
(ふらんす堂「編集日記」2019/9/19より抜粋/Yamaoka Kimiko)