徳高博子歌集『ジョットの真青』(じょっとのまさお)

四六判ソフトカバ-装 110頁 3首組
著者の徳高博子(とくたかひろこ)さんの第5歌集となるものである。
徳高博子さんは、「あとがきに代えて」によると5年前にカトリック信者となられ、それ以来大変熱心な信者であるということである。国内外の聖地巡礼に参加されたり、聖書をふかく理解するためにギリシャ語やヘブライ語勉強も始められたということである。
ジョットの真青 天上の青 永遠の吾が憧れよ もうすぐあへる
最終頁におかれた3首の最初の短歌であり、本歌集のタイトルともなった一首である。
ジョット(ジョット・ディ・ボンドーネ)は、中世後期のイタリア人の画家である。アッシジにある聖フランチェスコ大聖堂のフレスコ画が有名である。わたしもイタリアを旅行したときに見ているが。この短歌の「青」は、「ユダの接吻」と題したジョットの絵の空の色である。空をはじめて青く塗った画家としても有名らしい。
装幀を担当した君嶋真理子さんには、この青を念頭においてもらった。
ただ、ブックデザインは、前回の自選歌集『めぐりあふ時』と響きあるものというのが徳高博子さんにのご希望だった。

グラシン(薄紙)でまいた一冊である。
ウイリアム・モリスを用いた。



カバーをはずした表紙。


見返し。

扉。

グラシンをはずすと、鮮やかな青が現れる。




(ふらんす堂「編集日記」2022/3/24より抜粋/Yamaoka Kimiko)