眠たい羊2019.7.12

 

ふけとしこ句集『眠たい羊(ねむたいひつじ)』

 

 

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四六判仮フランス装カバー装 182頁

 

俳人・ふけとしこさんの第5句集である。前句集『インコに肩を』から10年ぶりと「あとがき」にある。前句集のタイトルには「インコ」がいて今度は「羊」、それもただの「羊」ではなく「眠たい羊」である。ふけとしこさんは、野山を散策することがお好きで民間植物博士とわたしが密かによぶほどに草花に精通している。「ふけさん、この花の名はなあに?」と伺えば「それはね」と言いながら、愛しそうにその草花を手にとって「〇〇〇よ」って草花に語りかけるように教えてくれる。身の回りにささやかに咲いている小さなものが愛おしくって愛おしくってならない、そんな方だが、今回句集を拝読して、その愛おしい気持ちは草花だけでなく、小動物たち、もちろん(虫や魚もふくめて)にも及ぶということがよく分かった。人間関係の些事に心を砕く時間があったら草花や生き物たちの命に触れていたいそんな人なんだろうと思う。

 

 

 

本句集の装丁は和兎さん。

 

 

 

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タイトルは青メタル箔。

 

カバーと表紙のとの間に青い部分が細くあるが、これが当初の装丁にはなかったもの。
色校正が出来上がった時点で、和兎さんが考えついた。

 

「眠たい羊」の夢の部分だ。

 

 

 

 

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上のカバーを外すともう一枚ブルーの夢の用紙が現れる。

 

 

 

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2,3ミリの幅であるが効果的である。

 

 

 

 

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表紙。

 

 

 

 

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見返しもまた夢の用紙を。
そして扉。

 

 

 

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ふけとしこさんは、装丁に関しては「お任せ」と言ってくださったので、こんな風に自由に遊ばせてもらった。

 

もうひとつ、これはわたしが本文を校了にするときに思い立ったのだが、この装丁に響きあわせて、
本文の刷り色をセピア色にした。

 

 

 

 

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かなり黒に近いセピアであるので、気づかない人は多いと思う、

 

通常の句集と比べてもらうとやはり違う。(比べてみて)

 

本文の刷り色をスミ以外のものにするのは案外むずかしい。
しかし、装丁によく合っていると出来上がりが楽しい。。

 

 

 

 

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 雪の日を眠たい羊眠い山羊

 

句集名となった一句である。
ラフイメージのときに、いろんな羊がいたのだけれど、
ふけさんはこの羊を選ばれたのだった。
(可愛らしい羊を選ばなかったこともふけとしこさんらしいって、いま改めて思う)

 

 

 

 

 

 

(ふらんす堂「編集日記」2019/7/11より抜粋/Yamaoka Kimiko)

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