オキナヨモギに咲く2024.11.5

 

木村文訳サロメーヤ・ネリス詩集『オキナヨモギに咲く』

 

 

 

 

46判ペーパーバックスタイル 146頁
リトアニアの詩人サロメーヤ・ネリス(1904-1945)の第4詩集『オキナヨモギに咲くーDIEMEDŽIU ŽYDĖSIU』全編と『選集』収録の小詩集『M.K. チュルリョーニスの絵よりーIŠ M. K. ČIURLIONIO PAVEIKSLŲ』の全ての詩を収録したのが本詩集『オキナヨモギに咲く』である。
今年はネリスの生誕120周年にあたり、発行日もネリスの誕生日である11月8日となっている。
訳者の木村文さんは、ネリスの詩や作品の日本への紹介に力を注がれており、ふらんす堂ではすでに木村文さんの訳による第1詩集『朝はやくにーANKSTI RYTĄ』散文詩『へびの王妃エグレ Eglė žalčių karalienė』を刊行している。
巻末の木村文さんによる解説によると詩集『オキナヨモギに咲く』は、1938年に刊行され国家文学賞を受賞している。

 

 

「オキナヨモギ」ははじめて聞く名前だった。蓬の一種だろうか。調べてみると「オキナヨモギは、キク科ヨモギ属に属する低木の一種である。」とあり、写真もある。本詩集の表紙の装画はまさにオキナヨモギをデザイン化したものである。

 

 

 

 

本書の装幀はこの度も君嶋真理子さん。

 

 

 

 

 

 

 

 

金箔でオキナヨモギを配した。
こういう金箔の使い方はリトアニアではめずらしいという。
詩集『朝はやくに』も装画を金箔に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本詩集に収録されている小詩集『小詩集「M.K. チュルリョーニスの絵より」は、巻末の解説によると、「ネリスがミカロユス・コンスタンティナス・チュルリョーニス(1875 年〜1911 年)の絵画6 点から着想を得て書いたものである。チュルリョーニスは、リトアニアを代表する画家・作曲家である。本書では、国立チュルリョーニス美術館から画像データの提供を受けて、詩の着想の元となった絵画6 点を口絵として掲載している。ネリスは、チュルリョーニスと直接の面識があったわけではないが、この画家のファンであった。カウナス郊外にあるサロメーヤ・ネリス記念博物館に行くと、『オキナヨモギに咲く』の執筆の際に使っていた机が保存してあり、当時ネリスがそうしていたように、チュルリョーニスの小さな複製画が壁に貼ってあり、机上には画集が置いてある。チュルリョーニスの絵画が気になった方は、2026 年前半に東京の国立西洋美術館でチュルリョーニスの特別展が開催される予定なので、その機会にご覧いただきたい。
この絵がなかなかすばらしいのである。
著作権の関係もあるので、ここではざっと紹介したい。

 

 

 

 

 

 

 

本詩集には6点の絵が収録されている。

 

 

 

 

(ふらんす堂「編集日記」2024/10/21より抜粋/Yamaoka Kimiko)

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