細野和子句集『スケルツォ』(すけるつぉ) 。
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四六判ハードカバー装 230頁
著者の細野和子(ほその・かずこ)さんは、昭和27年(1952)仙台市生まれ、現在は横浜市に在住。平成4年(1992)俳誌「青山」に入門し山崎ひさをに師事。「青山」同人。俳人協会会員。本句集は、第一句集『アダージョ』(2002刊)につぐ第二句集である。
本句集のカバーと本文扉の挿画は、山崎ひさを主宰のご長女の田中和美さんの手によるもの。
音楽の用語が、タイトルとなっている本句集には、楽器など音楽にまつわる俳句が随所にちりばめられている。ご本人も楽器をひき、歌も歌われるという。いくつかを紹介すると、
ビオラ弾く雪焼けの顔傾けて
鍵盤の手に崩れ来る薔薇の紅
第九歌ふ客席に亡き夫のゐし
玻璃越しの落花弦楽四重奏
冴ゆる夜ゆつくり響くビブラート
千人のチェロケース行く青葉光 (千人チェロ参加)
クラリネット遺愛の品として涼し
弦楽器並び秋日を飴色に
細野和子さんは、伺ったところによると2015年の5月に仙台で行われた「東日本大震災への鎮魂と復興支援」のために開催された「第5回 1000人のチョロ・コンサート」に参加されたということである。
つねに前向きでチャレンジャーとしての精神をもちつづけている著者である。
細野和子さんが所属する「青山」は、日々の生活を詠むことを大切にする結社である。そういう意味からも本句集は、細野和子さんの生活が俳句によって丹念に詠まれている。
本句集の装丁は君嶋真理子さん。
田中和美さんの挿画を用いてのブックデザインである。
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表紙はかぎりなく白に近い薄紫。
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背は金箔。
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見返しは紫を基調としたマーブル模様。
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扉。
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本文の田中和美さんの挿画である。
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挿画のモチーフが花に一貫しているのでスマートな仕上がりだ。
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紫をメインカラーにしてすっきりと仕上がった。
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(ふらんす堂「編集日記」2018/4/4より抜粋/Yamaoka Kimiko)