しみづあたたかをふくむ2022.6.3

 

森賀まり句集『しみづあたたかをふくむ』

 

01

 

四六判ハードカバードイツ装帯なし  172頁 二句組
俳人・森賀まり(1960年、愛媛生れ)の第1句集『ねむる手』第2句集『瞬く』につぐ第3句集となる。
句集名の「しみづあたたかをふくむ」は、第72候「水泉動」よりの命名である。

 

 

本句集の装丁は和兎さん。
であるが、
この本の魅力は、装画に用いた木村茂氏の版画と造本にある。

 

02

 

「装幀の裸木は若い頃より敬愛する木村茂氏の銅版画である。」と、森賀まりさんが「あとがき」に書かれているように、この版画は、まりさんは購入され持っておられるという。

 

 

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木村茂氏の樹木の版画はすばらしいものばかりだ。

 

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背の部分には真紅の用紙。
木村氏の版画の力強さには、このくらい強い色もってこないとバランスがとれない。

 

 

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花布とスピンは色を消して白。

 

 

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タイトルのみを金箔。

 

 

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見返しは、背の用紙とおなじもの。

 

 

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扉はシンプルに。

 

 

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白と赤のコントラストが美しい。

 

 

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製本屋さんが、だいぶ苦労をした造本である。

 

 

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本文用紙はあえて白い紙を用いた。

 

 

 

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力強く瀟洒、そして静かなたたずまい。

 

 

(ふらんす堂「編集日記」2022/5/26より抜粋/Yamaoka Kimiko)

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