四六判ペーパーバックスタイル 296頁。
著者の舘野豊さんは、1976年に飯田龍太主宰の「雲母」に入会してより俳句をはじめ、「白露」(廣瀬直人主宰)を経て、現在は「郭公」(井上康明主宰)に所属する俳人である。本句集は、「雲母」「白露」「郭公」に発表したものを中心に収録した評論集である。1988年「雲母」11月号に発表した「青春俳句の一面」をはじめとして、2018年「郭公」1月号の飯田龍太の「旅」についての俳句の考察まで30年に亘るものを一冊にまとめたものである。全体は3部構成になっており、第Ⅰ部は「飯田龍太について」であり、296頁のうち3分の2近くを飯田龍太論がしめている。第Ⅱ部は「雲母の航跡」と題し、飯田蛇笏論、廣瀬直人論、三森鉄治論を収録、第Ⅲ部は「それぞれの光芒」として、石田波郷、阿波野青畝、加藤楸邨、桂信子、森澄雄、中村苑子の評論に、「雲母」時代に書かれた「青春俳句の一面」と「蕪村と時間」を収録したものである。