山田佳乃句集『波音』。
四六判ソフトカバー装クーターバインディング製本 186頁
著者の山田佳乃さんは、昭和40年(1965)年大阪生まれ、現在神戸市在住。平成13年(2001)俳誌「円虹」入会、母・山田弘子に師事、平成16年(2004)年より「ホトトギス」に投句を始め、平成17年「ホトトギス」入会、稲畑汀子、稲畑廣太郎に師事、平成20年(2008)ホトトギス同人、の主宰、平成22(2010)年作品「水の声」により第21回日本伝統俳句協会賞受賞、この年母であり師である山田弘子氏が急逝される。と同時に「円虹」の主宰を若くして継承された。
本句集の装丁は和兎さん。
佳乃さんが選ばれたのは、クーターバインディング製本で、色はフランスの伝統色であるところの「BLUE VERT DENSE」
濃い緑がかったブルーである。
和兎さんは、基本この「BLUE VERT DENSE」の色を中心にして外の色合いが入ってくることを抑えた。カバーも表紙もこれ一色のみである。
見返しは羊皮紙。わたしの好きな紙である。
カバーをとったところの表紙。
カバー、表紙、見返しすべて同じ用紙。
扉の上の薄紙。
こんな風に透きとおる。
扉は「BLUE VERT DENSE」に近い色の用紙をみつけ、それに白刷り。
白がどれほどきれいに出るか不安だったが、べたつかず透明感のある仕上がりとなった。
クータ―バインディング製本の特色である背の開き。
背のところにやはり「BLUE VERT DENSE」で印刷した用紙を貼るという凝ったもの。
シンプルで美しい。
山田佳乃さんはとても喜んでくださった。
(ふらんす堂「
編集日記」2018/2/20より抜粋/Yamaoka Kimiko)