熊鈴が2016.8.4

 

児玉和子句集『熊鈴が』(くますずが)

 

児玉和子句集『熊鈴が』

四六判ハードカバー装。176頁
 
 
著者の児玉和子(こだま・かずこ)さんは、昭和25年(1950)奈川県生まれ、東京都杉並区在住。昭和50年(1975)の25歳のときに本井氏の勧めにより俳句をはじめる。昭和51年(1976)に「若葉会」に入会し、高田風人子に俳句を学ぶ。昭和63年(1988)俳誌「惜春」創刊に参加し、平成5年(1993)藤松遊子指導の勉強会に参加、平成18年(2006)「惜春」退会、平成19年(2007)俳誌「夏潮」(本井英主宰)に創刊参加され現在に至っている。平成23年(2011)「夏潮結社賞」、「第2回親潮賞」を受賞されている。夏潮の運営委員のおひとりであり、「夏潮」別冊「虚子研究号」にも執筆されている。本句集は、第一句集『白梅の家』(2009)につぐ第二句集となる。
句集名『熊鈴が』という印象的かつおもしろいタイトルは、
 
 熊鈴が廊下を通る宿の秋
 
による。「石の湯 稽古会」という前書きがあるので、俳句の吟行で行った宿屋で体験したことを詠んだのだと思う。しかしそれだけではなく、児玉和子さんは、山登り好きなようだ。冒頭の句が、
 
 山行の記録読みつつ去年今年
 
とあるから随分山登りをされて来られた方のようである。
 
 
本句集の装幀は、君嶋真理子さん。
「熊鈴が」というちょっと難しい集名、(だって熊鈴をそのままあしらうのではいくらなんでも……)を見事に美しい一冊にデザインした。
 
白と緑で大人っぽい一冊となった。
 
児玉和子句集『熊鈴が』
 
児玉和子句集『熊鈴が』
 
タイトルはツヤ消しの金箔。
用紙の白い紙は、斜めに細かい線が走っている。
 
児玉和子句集『熊鈴が』
 
わかるかなあ。
 
児玉和子句集『熊鈴が』
 
表紙は薄緑色。
 
 
児玉和子句集『熊鈴が』
 
ここにもツヤ消しの金箔。
 
児玉和子句集『熊鈴が』
 
平面はから押し。
 
 
児玉和子句集『熊鈴が』
 
見返しは淡い緑。キラがはいっている用紙だ。
 
 
児玉和子句集『熊鈴が』
 
花布は、金。
 
児玉和子句集『熊鈴が』
 
栞紐は、カバーと同じ色の緑。
 
児玉和子句集『熊鈴が』
 
児玉和子句集『熊鈴が』
 
児玉和子句集『熊鈴が』
 
児玉和子句集『熊鈴が』
 
清々しい一冊となった。ずっと眺めていてもつくづくと綺麗だなあとわたしは思う。
こういう本が好き。
 
(ふらんす堂「編集日記」2016/8/1より抜粋/Yamaoka Kimiko)

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