2016.8.11

 

三代寿美代句集『縁』(えにし)

 

三代寿美代句集『縁』

 

四六判ソフトカバー装。204頁

 
著者の三代寿美代(みしろ・すみよ)さんは、昭和34年(1959)島根県松江市生まれ。昭和56年(1980)より俳誌「鷹」に入会し藤田湘子の指導を受ける。藤田湘子亡き後は、小川軽舟の下で俳句を学び、平成20年(2008)に第27回新葉賞受賞、現在「鷹」同人である。本句集は、昭和56年(1981)より平成27年(2015)の35年間の作品を精選して収録したものであり、小川軽舟主宰が、序文を寄せている。
 
 
本句集の装幀は和兎さん。
著者の三代さんは、ピンク色をご希望された。
ピンクというのもこの方らしいかもしれない。
 

三代寿美代句集『縁』

 

三代寿美代句集『縁』

 

 

三代寿美代句集『縁』

タイトルのみ金箔で。

 

三代寿美代句集『縁』

 

 三代寿美代句集『縁』

表紙。華やかなローズ朱とでもいうべき色。

 
 

三代寿美代句集『縁』

 

三代寿美代句集『縁』

扉。

 

三代寿美代句集『縁』

 

三代寿美代句集『縁』

 

三代寿美代句集『縁』

 

「縁」というやや重いタイトルであったが、瀟洒で洗練された仕上がりとなった。
略歴のところに、三代寿美代さんの顔写真が小さくあるが、明るい笑顔の華やかな美しい方である。
 
 過ちを犯す熟柿を喰うてをり
 
なんの過ちを犯すんだろうかは、おおよそは想像つく。だって熟柿だもの。三代さんの俳句は季語の付け方が(という言い方でいいのかな)とても面白い。季語への思いも独特で、あえていえば実存的だ。「蝉時雨」で腹がすく、とか、「赤紫蘇」が示唆するものとか、屈託がなくていい。あるいは大変な人生なのかもしれないが、読者としては面白くて読んでしまう。そして、どこか突き抜けた明るさがあるのも救いだ。
 
 
(ふらんす堂「編集日記」2016/8/8より抜粋/Yamaoka Kimiko)
 

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