初明り2019.7.29

 

鬼頭桐葉句集『初明り』

 

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四六判フランス装函入り 246頁 

 

著者の鬼頭桐葉(きとう・とうよう)さんは、大正10年(1921)のお生まれであるが、実はすでに亡くなられている。数年前のご存命のときに、ふらんす堂に連絡をいただき句集をおつくりになりたいというご意向をいただいたのだが、しばらくそのままになっていたのである。今年になってご息女の吉田美智子さまよりご連絡をいただき、吉田さまとお二人のご息女が相談に見えられてこの度の句集上梓となったのである。
亡くなられたお母さまのご意志を引き継ぐかたちでの句集出版となった。
吉田美智子さんがご希望されたことは、遺句集と銘打たないこと、フランス装であること、そして函入りであるということだった。それはきっと今は亡き鬼頭桐葉さんの句集へのご家族の思いであり、また鬼頭さんがご存命であったらきっとそう望まれたものであろうと思う。句集の略歴には鬼頭さんの小さな写真が添えられている。わたしは作品を通し、またそのお写真を通して、鬼頭桐葉という俳人に始めて出会うそんな気持ちで句集を拝読したのだった。
鬼頭桐葉さんは、生前に一冊句集『春蘭』を上梓されている。三重県津市のお生まれだ。かつて故岡井省二主宰の「槐」に所属しておられたと伺ったが、略歴にそのことは記されていない。
本句集は、「春」「夏」「秋」「冬」の順序で四季別に分かれている。「あとがき」などはない。

 

 

 

この句集の装丁は君嶋真理子さん。

 

 

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ご家族は、函の色味は「夜が明けてくるときのような色味」をご希望 された。

 

 

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函からフランス装の本体が出てくる。

 

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表紙のタイトルは暁色。

 

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見返し。

 

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扉の前には遊び紙。

 

 

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金銀が織り込まれた和紙である。

 

 

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栞紐は薄いオレンジ色。

 

 

 

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(ふらんす堂「編集日記」2019/7/26より抜粋/Yamaoka Kimiko)

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