小島ゆかり×東直子×永田淳(岡井隆)
日付・日記のある歌2013.9.23
2013年9月23日、吉祥寺のパルコブックセンターで、小島ゆかり先生、東直子先生、永田淳先生の3名によるイベントが開かれました。
スペシャルゲストで なんと岡井隆先生もいらしてくださいました!
選歌選評&鼎談&サイン会開催!
日付け・日記にまつわる歌を募集いたしました。結果を記載致します。
アットホームな雰囲気でイベントははじまりました。
たくさんの短歌をご応募いただきましてありがとうございました。 とてもレベルの高い歌ばかりだったと選者の先生方も驚いていらっしゃいました!
応募の中から、特選1首、秀作3首、佳作5首を選ばせて頂きました。 岡井先生は選者の先生が選ばれた歌についてコメントしてくださいました! 選に入らなかった皆様も本当にありがとうございました。
小島ゆかり選
特選
新しき手帳に今年の目標を「出奔」と書く元日快晴
おのめぐみ
秀作
開いたら落ちてきたのは日記には書かれていない日付の切符
岬
午前5時TOKYOの字がかけめぐるゴシック体の黒色をして
土屋智弘
書き終えて閉じたノートをすこし圧す 見えない花が挟まっている
飯田彩乃
佳作
スカートがひらめくやうに少女らの夏の日付は変はつてゆけり
伊波虎英
逢いたさが来る 先に来る だれよりも約束の日を先回りして
琴平葉一
オリンピック、新幹線と原子力、六四年十月十日
森川雅美
亡き祖母の日記で五才の吾は雲の映る水たまり飽きず覗きこむ
岬
わが胸のワニが逃げ出し絵日記の吾子は半裸で渚をはしる
アコちゃんパパ
東 直子選
特選
じいちゃんは八月六日九日も季語なんだよとほおずきを揉む
柳原恵津子
秀作
初夏の風に吹かれるためだけに生まれてきたと思う朝です
市岡和恵
九月来て骨の後ろに湯たんぽのやうなかなしみ感じてをりぬ
藤原かよ
ここからはあなたの生きなかった未来 林檎の皮をひと息に剥く
浪江まき子
佳作
スカートがひらめくやうに少女らの夏の日付は変はつてゆけり
伊波虎英
オリンピック、新幹線と原子力、六四年十月十日
森川雅美
書く度にこころ爛れてゆく思い八月六日の別居開始日
月下桜
空想のさんじゅういちを書き込んだ 九月のきみをすこしください
國森睛野
今日を生きた証しとしての文字たちをぽたりぽたりとたらしています
姉野もね
永田 淳選
特選
夕暮れの胸元を行くキリンたち日記を書こうと思ってしまう
風野瑞人
秀作
九月来て骨の後ろに湯たんぽのやうなかなしみ感じてをりぬ
藤原かよ
読み返す日記の中に生きている三百六十五人の私
おのめぐみ
9月6日を覚えてる?温かい君に触れた最後の日です
佐川菜々美
佳作
開いたら落ちてきたのは日記には書かれていない日付の切符
岬
二十年前の日記に記された暗号や記号もはやわからず
野上卓
亡き祖母の日記で五才の吾は雲の映る水たまり飽きず覗きこむ
岬
引き出しに地雷をしまう いつの日も始めたひとは非難されるね
琴平葉一
(山田と会う。)日記のはじめに書き付ける山田の顔は思い出さない
ichiei
選に入られた皆様、おめでとうございます! 特選の方には選者の先生からの色紙がプレゼントされました!!
※この模様はふらんす堂通信139号(2014年1月号)に掲載しました。
ふらんす堂通信についての詳細はこちらからどうぞ。
ゲスト選者紹介
岡井 隆先生
小島 ゆかり先生
東 直子先生
[Twitterアカウント] @higashin
[ホームページ] 直久(なおきゅう)
永田 淳先生