諷詠900号
『月華』星野立子賞受賞記念会2023.11.3
10月29日、神戸ベイシェラトン ホテル&タワーズの六甲の間にて、「諷詠」900号記念祝賀会・和田華凜句集『月華』星野立子賞受賞記念会が華々しく開催されました。
ご挨拶される和田華凜主宰。
「一滴の水は流れ始めました。この一滴の水が大河となることを願っております」という「諷詠」創始者の後藤夜半の言葉を引用され、一滴の水が現在大河となったかどうかは分かりませんが、夜半の一滴の水が祖父の比奈夫へと続き、立夫そして私四代目華凜へと耐えることなく流れ続けているということ、きっと天国でも喜んでくれているのではないかと思います。
先人たちの教えを胸に、私たち諷詠は「深く見て新しく読む」という「深観新詠」という作句精神で歩んでおります。これからも皆さんの輝ける場所として、諷詠がいつまでも続きますよう願っております。
来賓の皆さまと記念撮影。
「喜びも悲しみも心のままの言葉で書いたものですので、読みづらい点も多々ある事かと思いますが、主宰となりこの七年間俳諧の道を歩み続けたありのままの私自身の思いです。どのページからでもお気軽にお読みいただけたら幸いです。(「『月華抄』序にかえて」より)
神戸赤十字病院の病室で小さなかすれた声で父が言った。「いろんなところへ行って、いろんな人と会え……」「いろんなところって?諷詠の句会でけじゃなくて?いろいろ?」と私が聞くと父がうなづく。「地方の諷詠会とか?」又父がうなづく。「伝統俳句会や俳人協会とか?」又父がうなづいた。亡くなる一週間程前のことだ。父の遺言だと思った。父が亡くなり主宰となった時、このことをまず実行しようと決めた。そして九月に入り実行する。九月三日、台風の近づく九州へ私は上陸した。海峡を渡りて月の客となる 華 凜