「南風」創刊90周年のお祝いの会2023.11.22

 

 

2023年11月19日の午後三時より「南風」創刊90周年のお祝いの会が、大阪キャッスルホテルにて行われました。

 

 

まずは、櫂未知子さんによる記念講演を拝聴する。
タイトルは「叙情の系譜」。何枚にもおよぶレジメには、「南風」歴代の主宰者の俳句年代別句集ごとに二段組で紹介されている。それを読み解きながらそれぞれの俳人の特質を語りつつ、いかに抒情性が継承されていったかを1時間半余にわたって解き明かされたのだった。
詳細な資料調べにもとづく講演であり、聞き応えのあるものだった。最後は時間足らずとなってしまい、もう少し伺いたかったところであるが、残念だった。しかし、この講演はきっと活字となって掲載されるのではないかと思う。それを待ちたい。

 

講演をされる櫂未知子

 

 

 

会場に飾られた歴代の主宰者。
左より山口草堂、鷲谷七菜子、山上樹実雄。(敬称略)

 

 

 

お祝いの会は午後四時半よる開催された。

 

開会のご挨拶をする村上鞆彦主宰。
「南風」は昭和8年に山口草堂が創刊し、鷲谷七菜子、山上樹実雄、津川絵理子、村上鞆彦と継承してまいりました。大阪で生まれ、大阪で育った結社です。
現在の「南風」はいくらか若い方々も増えてきまして、ベテラン勢と刺激しあいながら風通しのよい生き生きとした研鑽の場ができつつあると自負しております。ご来賓の皆さまがたにはそんな南風の俳句をこれからもあたたかく見つめてくださればと思っております。

 

 

 

 

ご挨拶する津川絵理子顧問
先ほどは櫂未知子先生にすばらしいご講演をいただき大変勉強になりました。このようにたくさんの「南風」の仲間が集うということは本当に嬉しいことだと思っております。これからも一歩一歩百周年にむかってあまり意識しすぎず、みんなですすんでいきたいと思っております。

 

 

 

 

 

90周年の記念事業として先師『山上樹実雄全句集』を刊行いたしました。馬醉木の俊英としてデビューしました山上樹実雄は当初は繊細な自然詠が中心でしたが、後半生は病を得ましたことで、大きく句風を変化させました。最後はおおらかなユーモアで自らの生命を深く見つめた句を詠むようになりました。そんな山上樹実雄が文字どおり命を削って詠んだ俳句の全貌にこの全句集を通して触れてくだされば幸いです。村上鞆彦

 

 

 

記念写真1

 

 

 

 

記念写真2

 

 

ご来賓はおもに関西周辺の俳人の方々とジャーナリズム関係者。
そして「南風」の皆さまである。
村上鞆彦主宰をはじめ「南風」の皆さま、
創刊90周年まことにおめでとうございます。
心よりお祝いを申し上げます。

 

 

(ふらんす堂「編集日記」2023/11/20より抜粋/Yamaoka Kimiko)

 

 

 

 

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