田中裕明さんをしのぶ会  横浜吟行より2004.9.11

 

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9月11日は残暑の厳しい一日となりました。
「田中裕明さんをしのぶ会」の一日の始まりです。

1時より「吟行会」、4時から「しのぶ会」という予定です。

私は発起人の一人として、12時半までに横浜に行かねばなりません。集合場所は、横浜山手にあるイタリア山庭園の外交官の家です。
この日のために間に合わせた『田中裕明追悼文集』、それを30冊ほど持って、横浜を目指して電車に乗り込みました。

途中、いつもながら状況判断の甘さがあったりして遅刻。着いた時はもうすでに何人かの方たちは来ています。一緒に準備をすすめ てきた四ッ谷龍さんや満田春日さんのお二人は、ちゃんと参加者の方達に対応して吟行会の準備をしています。カッコ悪いのやら何やらで、私は汗を拭くばか り。はじめから遅刻で、申し訳ない。

やがて参加者各氏がほぼそろったころ、田中夫人である森賀まりさんも、京都から新幹線に乗って来られました。
まりさんのお姉さまで歌人の坂原八津さんもいらしてます。

ひときわの秋の暑さです。

 


 

●吟行会の様子

人しのぶ九月の汗を拭ひつゝ  木村定生
芋虫の太り切つたる秋暑かな  高橋とも子

人数がそろったところで、まずはカトリック山手教会を目指して出発です。

今日のコースは、生前に田中さんが句仲間と何回か吟行をしたところです。

異国情緒ただよう道を歩いて行けば、カトリック教会が見えてきました。

教会の冷たき椅子を拭く仕事  田中裕明(『夜の客人』)

この作品が生まれた場所です。

教会の冷たき椅子を拭く仕事  田中裕明

教会といふ秋冷の明るさに  高田正子
秋風のにじめる影を曳きゆける  山西雅子
ひとりづつ聖堂に消ゆ白木槿  片山由美子
教会の秋日の中に坐りけり  石田郷子
聖堂の背中正しき秋の水  森賀まり
菊澄めり一人にひとつ聖歌集  四ッ谷龍
手紙書く人ここになし秋の蝶  小川軽舟
木の家のすみずみ暗し秋の蝉  満田春日
木の扉真鍮のノブ水澄める  中山世一

教会をあとにして、元町公園のエリスマン邸へ。

途中、結婚式に向う若い女性二人に道をたずねられました。

秋暑し道を問はれてゐる人も  坂原八津

エリスマン邸は、大きな樫の木に蔽われていました。
どうやら、なかでミニコンサートが行われているようです。

人の輪に来てすぐ失せぬ秋の蝶  上野一孝
その中に君居らぬこと秋霞  岸本尚毅 
空と海けふひといろにちちろ鳴く  西澤 麻

エリスマン邸をあとにして、外人墓地の横を通ると、今日は中を見学できるとのことで人のにぎわいがあります。

独特の雰囲気のある墓地です。

港の見える丘公園を右手に見ながら、「しのぶ会」の会場である横浜中華街の重慶飯店へ向います。

 


 

句会が終われば、いよいよ4時からは「しのぶ会」です。

「俳句研究」の編集長石井隆司さんはお忙しいのに時間をつくって、最初から吟行会が終わるまでお付き合い下さいました。

有難うございました。

(山岡喜美子・記)

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