2022年11月5日、午後12時半より平塚市にある「ホテルサンライフガーデン」にて、
俳誌「松の花」25周年のお祝いの会が開かれた。
また、句集出版のお祝いもあって、
ご挨拶をされる松尾隆信主宰。
「コロナ下にあって、こうしてささやかにもお祝いの会を開催することができたことをこころから喜びたい」と。
句集出版をお祝いされる皆さま。
右より、句集『未完』(私家版)を上梓されたしかい良通さん、句集『繕ふ』(ふらんす堂)の松波美恵さん、句集『メビウスの輪』(文学の森)の櫻井波穂さん、句集『星々』(ふらんす堂)の松尾隆信主宰。
皆さま、句集のご上梓おめでとうございます。
ふらんす堂は、句集『繕ふ』と句集『星々』を刊行させていただいたご縁で、この二つの句集について、すこしご挨拶を申し上げたのだった。
収録作品数句と作者のことばのみをここでは紹介しておきたい。
青梅雨や白の小皿に金の継
足音と思ひしが風さねかづら
箒目は雨にくづれて罌粟の花
「『金繕い』の世界では、繕いものを施した作品は元の作品を超えて評価されることがあるとか。句集以後の私の俳句もそうありたいと願っております。」
氷柱折るとき星々の声のあり
ゆつくりと蛇のどこかの進みをる
スケートの十一歳は風のやう
明日ひらく白蓮の先うすみどり
逝く年の富士を白さを見尽くせり
「『星々』の語を含む作は、集中に二句あるが、眼前に迫りすぎて前のめりにならぬよう、ゆったりとひろやかな”眼前”を志向したいとの思いから選んだ」
会場風景。
すてきなヴァイオリンの演奏があるなど、とてもゆったりと和やかな会であった。
ヴァイオリン奏者の女性(ごめんなさい、お名前を聞きそびれてしまい)は、松尾清隆さんのヴァイオリンの先生であるということ。
松尾清隆さんは、松尾隆信主宰のご子息で俳人である。
今日は、松波美恵さんと一緒に司会を頑張っておられたのだった。
また、ふらんす堂から1992年に
句集『白秋記』を上梓された
横山節子さんにひさしぶりにお目にかかることができたこともうれしい。横山節子さんは、松波美恵さんの句集『繕ふ』に跋文をよせておられる。
わたしのお隣にいらしたしかい良通さんは、なんと俳句をはじめられたのは「氷海」(秋元不死男主宰)時代からであるという。「畦」(上田五千石主宰)をへて、現在「松の花」の同人である。そして句集『未完』を上梓されたのだった。
「何年俳句を作ってこられたのですか」と伺ったところ、
「63年くらいでしょうか」とお答えに。
63年!
しかい良通さんも横山節子さんもともに91歳であるという。
まさに俳句とともにある人生でいらっしゃるのだ。
そしてとてもお元気である。素晴らしいこと。
松尾隆信主宰をはじめ「松の花」の皆さま、創刊25周年おめでとうございます。
(ふらんす堂「編集日記」2022/11/5より抜粋/Yamaoka Kimiko)