小野市詩歌文学賞授賞式2023.6.3

 

 

今日は小野市詩歌文学賞授賞式がおこなわれる日である。
第15回小野市詩歌文学賞受賞
大辻隆弘歌集『樟の窓』(ふらんす堂刊)
小川軽舟句集『無辺』(ふらんす堂刊)
本来ならスタッフのPさんが出席をし、おふたりにお祝いを申し上げることになっていた。
ところが、新幹線が止まってしまった。
どうにもならず、出席することが叶わなかった。

授賞式の様子はWEBで公開されています。

第十五回小野市詩歌文学賞・第三十四回上田三四二記念 小野市短歌フォーラム

(youtubeが開きます)

 

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大辻隆弘歌集『樟の窓』

歌壇の時流や流行に流されることなく、歌の持つ本質的な良さは何かを常に考え、着実に実力を蓄えてきたのが大辻隆弘である。助詞一つに注目することによって歌の読みがどれほど違ってくるかについても、詳細な検討をも行ってきた本格派。その本格派が毎日一首をインターネットを通じて公開するという短歌日記に挑戦したのが、本歌集『樟の窓』である。師・岡井隆への思慕を含めて、樟の窓辺には、静かで爽やかな風と時間が流れている。(選者のことば/永田和宏
このたびは第15回小野市詩歌文学賞を賜り誠にありがとうございます。ご推挙いただいた選考委員の方々に深く御礼申し上げます。
上田三四二は、私の親愛の歌人です、彼の歌には特有の甘やかさがあります。佐藤佐太郎ばりの厳しい写実にあこがれながら、その隙間から彼本来の叙情が抑えがたい形で滲み出る。そんな彼の歌に深い共感と、かすかな近親憎悪に似た思いを抱き続けています。
賞をいただいた『樟の窓』は、2021年の短歌による日記です。1日1首の歌を詠み続けながら、私は徐々に歌を作る楽しみの中に入り込んでゆきました。歌を作り始めてから40年、私にとって歌は私の全てとなりつつあります。本当にありがとうございました。大辻隆弘
 夢のなかにわが抱くアルトサックスは冷々としていつも鳴らない
 桜桃は実のなるさくら、はなももは花美(は )しき桃 君が教へし
 影として幹たちならぶ森のなかを遠ざかるひと、あれが私だ
 葉の影が幹の裏よりまはり来て樟くすの木は夏の午後となりたり
 静観は虚しくあれど静観に均ならされてゆく悲しみあまた

 

 

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小川軽舟句集『無辺』

 
日常の中の様々な出来事その他を、分かりやすい言葉で句にしている句集。はじめから終わりまで読んで、親しみを非常に感じさせるものでした。(選者のことば/宇多喜代子
小野市詩歌文学賞をいただき、身に余る光栄に存じます。選考委員の皆さま、主催者の皆さまに心より感謝申し上げます。
俳人とサラリーマンの掛け持ちを続ける私は、ここ十年余り、関西に単身赴任しています。歴史と文化が奥深く刻まれた風景に惹かれて各地を巡りました。小野市の浄土寺も印象深いものの一つです。句集『無辺』も関西の地から多くのものを得ました。
西村和子さんがこの賞を受賞された平成二十八年の授賞式に私も参加し、その時の蓬莱市長をはじめとする小野市の皆さまの詩歌振興に対する熱意に感動しました。そしてこの度は私自身が受賞者として再訪できますことを、夢のようにうれしく思います。小川軽舟
 草ひばり手紙のやうに日記書く
 桜草知り合つてまだ名を聞かず
 大阪を地下に乗り継ぎ近松忌
 かたまりより仔猫の形摑み出す
 かあさんと墓を呼ぶ父冬日差す

 

 

大辻隆弘さま  小川軽舟さま
ご受賞おめでとうございます。
心よりお祝いを申し上げます。
お目にかかってお祝いを申し上げること叶わず、お許しくださいませ。
お会いできる日をたのしみにしております。

 

 

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