俳誌「いには」十五周年祝賀会2019.10.3

 

昨日の俳誌「いには」15周年のお祝いの会のご報告をしたい。
会は15周年記念のお祝いと出版記念のお祝いの会であった。
村上喜代子主宰がご挨拶で述べられたように、お客さまはごく親しい俳人の方三名、増成栗人氏、能村研三氏、秋尾敏氏、ほかに出版関係から俳句の立木成芳編集長、俳壇の安井まどか編集長、俳句四季の上野佐緒編集長、俳句界の河内静魚編集長、そしてyamaokaの5名というアットホームな会であった。
「いには」の方々がとても親しく感じられる気取らない良い会でもあった。

 

 

01

 

 

「いには」9月号の「創刊15周年記念号」より村上喜代子主宰のご挨拶を抜粋して紹介したい。

 

 

 

いには俳句会は創立十五周年を迎えた。(略)
いには俳句会は、句作や発言の場において皆平等であり、自由に意見が言える結社である、ということをモットーとして出発した。良い俳句を作りたい、いい文章や評論を書きたい、そういった学びの場が変な差別意識によって阻害されることがあってはならないと思う。
人生百年を迎えて、長い老後をいかに有意義に過ごそうかと考える時、四季の循環と共にある自然や日々の暮らしを、詩として読み残そうとする俳句があること、その仲間がいることが何より有り難く思われる。現在「いには」の最長老は九十六歳の市川翠峯氏。氏は俳句が今なによりも生きる力になっている、と言われる。他にも、恩田甲、佐藤久子、岡崎寅雄等、九十歳代の各氏がご健在で、生き生きと作品を発表し続けてくださっていることが、私たちのよき目標であり励みとなっている。(略)
句作はたやすいものではない。いつまでたっても満足できるものではない。だから続けられるのであろう。この世でたった一人しかいない己の生きた証を句に残してゆきたいものである。
次は二十周年を目指して、皆さんと共に楽しみ励んでゆきたいと思う。

 

 

 

 

 

02

 

ご挨拶される村上喜代子主宰。

 

 

今回は十五周年という間の会ですので、ごく親しい来賓の方と出版社の方だけをお招きして皆さま和気藹々と楽しんでいただけたらと思います。
「いには」は十五年経ったわけですが、皆さんいまだに「いには」の意味をご存じでない方が多い。「いには」というのは今の千葉県印旛の万葉集時代の古名なんですね。「いには」と書いて発音は「いにわ」です。しかし、これがいまだに「いには」と発音される方が多いですが、「いにわ」と発音します。
「いには」はみんなが言いたいことを言える結社でありたいと思っております。あと、五年、十年とさらに力をつけて頑張っていきたいと思っております。

 

 

出版記念の方々は、

 

村上喜代子主宰の句集『軌道』(角川書店刊)、植原陽一氏句集『青嵐』(ふらんす堂)、山﨑照三氏「句集『あはうどり』の三名の方々だった。

 

植原陽一氏は、「まだまだ勉強の身、これからも頑張りたい」とご挨拶。山﨑照三氏は、「八十歳ですすめられて句集を出した。出して良かったと思っている。だからみんなにもすすめています」とご挨拶をされたのだった。

 

 彗星の軌道のやうな感卵       喜代子
 泰山木の花にきのふとけふの白     〃

 

 七十の胸吹き抜けよ青嵐       陽一
 リハビリは腹式呼吸青葉木菟      〃

 

 来いと言ひ来るなとふ母雪の底    照三
 あはうどりだけが見てきし夕焼こそ   〃

 

 

ふらんす堂にとってはご縁の深い方々ばかりで久しぶりにお目にかかれて改めてなつかしく嬉しい思いがしたのだった。

 

会の終わりには、北海道苫小牧からいらした会員の方を中心に「イランカラプテ」というアイヌ語で「あなたにあえて嬉しい」というタイトルの歌の合唱があった。
(「イランカラプテ」とは正確に言うと、「あなたのこころにそっとふれる」という意味らしい。)

 

 

 

 

 

 

03

 

 

とても素敵な歌で、わたしたちは皆聞き惚れてしまったのだ。
心にぐっと来る歌だった。

 

 

 

YouTubeで聴けます。
よろしければ是非に。。。

 

 

 

村上喜代子主宰、そして「いには」の皆さま、
昨日は楽しいひとときをありがとうございました。
十五周年を心よりお祝い申し上げます。162.png162.png162.png

 

 

 

 

 

(ふらんす堂「編集日記」2019/10/3より抜粋/Yamaoka Kimiko)

 

バックナンバー一覧を見る

著者紹介

俳句結社紹介

Twitter