鍵和田先生が私たちのことを個性あるように育てて下さった、それじゃあ私も一人ずつの個性を大事にしてやっていこうと思いました。
何分私はただの主婦で、趣味で俳句をやっているだけですから、世間知らずなんですけど、集まって下さる方々が本当に人生経験豊かでそれぞれの世界をたくさん持っている人が多くて、年配の方にかぎらず若い人でもそうですね。いろんなことを教えてくれて、刺激を下さる。とにかく新しい人が来れば嬉しい、佳い句にであえばよし来た、と楽しい楽しいと歩んできました。これは5周年の時にも申し上げましたが、結社をやることがこんなに楽しいとは思わなかった。もともとそのエッセイをまとめた冊子を作ったくらいですから、雑誌を作るのが好きですから。
楽しい楽しい、面白い面白いとやってきて、お陰様でとても明るい結社でございます。
でもじゃあ一体俳句作品はどうなのか。問題はそこですよね。
そこで10年を振り返るというつもりで『秋麗季語別俳句集』という本を作りました。10年ですからまだまだという気もいたしますが、中村草田男先生がなんでも俳句になさった。どんなことでも挑戦して俳句という形になさったということがあって、私は俳句に詠めないことはないと思っております。なんでもいいというのが、自由奔放なことが「秋麗」でございますが、ただしそこには心がなくてはいけない。心があるところには詩があると思っております。この勢いでまとめた俳句集がお眼鏡に適うような句が一句でもあれば嬉しく思います。
実は『鍵和田秞子の百句』もこの会に間に合わせる予定でしたが、鍵和田先生の最新句集の『火は祈り』からも百句の内に納めたいと思い、間に合いませんでした。近いうちにお届けさせて頂きたいと思います。
中村草田男、鍵和田秞子という師系に恥じないような活動をしなくてはいけないと今回つくづく心を新たに思っておりますので、どうぞこれからも御指導頂きたいと思います。
本日は本当にありがとうございました。