「金魚玉」
俳人協会新人賞受賞お祝いの会2018.6.30

 

去る4月6日(金)の夕方より、「アルカディア市ヶ谷」において、第41回俳人協会新人賞を受賞された黒澤麻生子さんを祝う会が行われた。
黒澤麻生子さんが所属する「秋麗」(藤田直子主宰)に集う人たちが中心となって催したお祝いの会である。
ふらんす堂からは担当スタッフのPさんが出席、ブックデザインをした君嶋真理子さんも出席。
総合誌の編集者の方たちも出席され、たいへん充実した会であったということ。
黒澤麻生子さんのご家族の皆さまも出席されともに受賞を喜ばれたのである。

 

 

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ご挨拶をされる黒澤麻生子さん。

 

 

本日はこんな素晴らしい会を開いて下さってありがとうございます。
主催をして下さった藤田直子先生、それから秋麗の皆さま方、イベントや様々準備して下さった感じの皆さま方、そしてご来賓の皆様、ありがとうございます。心より御礼を申し上げます。
この句集でお陰様で俳人協会新人賞を頂くことができました。
これは本当に思いがけないことで、今でも信じられないような気持ちでおります。
鍵和田先生にも「良かった良かった、本当に運が良かった」と仰って頂き、私も本当にそういうものなのではないかなと実感しております。
句集をまとめた20年にはいろいろな事がありました。
母を見送ったこともそうですし、途中から介護の仕事について忙しい思いをしたということもありますけれども、そういったことがひとつひとつも今回の受賞につながったかなと思いました。
審査員のおひとりの山尾玉藻先生からお手紙を頂きました。
「母親の介護と死に真向かい、また介護の仕事を通し、人間性が豊かになったように感じる」と書いて頂きました。
これは本当に嬉しいお言葉でございました。
これが本当なのであれば、母であったり、介護の仕事で見送ってきた方々が取らせてくれた賞なのではないかなと思いました。
秋麗の皆さまやいろいろな方々に後押しして頂いて、『金魚玉』という句集ができあがって私にとって宝物のような一冊になりましたことを感謝申し上げます。
そして、何よりも誰よりも感謝の言葉を申し上げたいのが、藤田直子先生でございます。
藤田先生にお手紙を準備してきたので読ませて頂ければと思います。

お手紙の中では、直子さんとお呼びしております。本当は直子先生でなければいけないのかもしれませんが…。
(ここで藤田直子主宰へのお手紙が読まれ日頃のご指導について心からの感謝を言葉を述べられたのだるが、少し省略して紹介させていただく)

自信を持って言えるのは、私は俳句を始めて、人生が楽しく豊かになりました。
直子さんに出会えたことで、俳句の面白さにはやくから気づき、続けてこられたことに心から感謝しています。
まだまだ手の掛かる弟子で申し訳ありませんが、これからもどうぞよろしくお願い致します。
くれぐれもお身体を大切に、私たちの輝ける主宰でいらして下さい。
今日は本当にありがとうございました。

 

 

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ご挨拶をされる藤田直子主宰。

 

 

ご来賓の皆さま、そしてご家族の皆さまも、本当にお忙しい中長時間お付き合い下さいまして、本当にありがとうございました。
俳人協会新人賞ってすごく良い賞なんですけど、俳人として大活躍されている方が必ずしも全部受賞できるわけではないんですね。
賞の中では初々しい受賞ですから、こんなに大袈裟にお祝いしなくてもいいのではというのもあったんですけれど、「秋麗」としては、創刊してから一番晴れがましく嬉しいことだったのでこういう会を開くと言うことにさせていただきました。
俳句の作品はいろいろありますけれど、中村草田男から鍵和田柚子、そして「秋麗」という風に受け継いできました。
昔で言う「人間探求派」今で言う「境涯句」というものがたっぷりと盛り込まれた、そういう句集が俳壇で認められたということは「秋麗」の会全体にとっても、もちろん親の「未来図」にとっても大変な喜びでした。
今日は皆さまにお集まりいただいてこの会を開くと言うことになりました。
今日の会は働いている人達が中心になって企画してくださいました。
忙しい中夜中の2時くらいにメールが来たりするんです。
このことは「秋麗」にとっても大事な出来事でした。
俳句そのものじゃなくて、イベントだとかそういったことも次の世代にバトンタッチできる準備ができた、そんな感じもいたしました。そういう意味で、私にとってもとても良い思い出の夜になりました。
本当に今日はありがとうございました。

 

 

黒澤麻生子さま。
藤田直子主宰をはじめとする「秋麗」の皆さま。
この度はおめでとうございました。
こころよりお祝いを申しあげます。

 

 

 

(ふらんす堂「編集日記」2018/4/9より抜粋/Yamaoka Kimiko)

 

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