冬野虹素描展2018.9.11
今日から「冬野虹素描展」が鎌倉のミルクホールにて開催される。
今日は午後2時半から行われるギャラリートーク「冬野虹ー光とともにときはなたれ」(詩人・中本道代 俳人・鴇田智哉 俳人・四ッ谷龍)が行われる。
わたしは申し込んであったので今日は楽しみにしていた。
まず二階の冬野虹さんの作品を見る。
(作品は写真に撮れないのですてきな展示室のみ紹介します)
虹さん。
四ッ谷龍さんと冬野虹さんの「むしめがね」。
冬野虹作品集成(書肆山田)。
間村俊一さんによる美しい造本である。
右から句集『雪予報』、歌集『頬白の影たち』、詩集『かしすまりあ』
階下ではそろそろトークショーがはじまる。
はじまる前、人があつまりはじめている。(やがてこの会場をあふれるほど人が集まってくる)
むかしながらのくもり硝子がとてもいい。
四ッ谷龍さんの司会で、リラックスした雰囲気のもとでのトークショーである。
中本道代さん、鴇田智哉さん、それぞれがまずご自身の作品の朗読をされた。
中本道代さん。
中本道代さんの最新詩集『接吻』(思潮社)は本年度の萩原朔太郎賞をご受賞された。
鴇田智哉さん。
鴇田さんは、冬野虹さんの作品へむけて三句つくられて発表された。
(どの句も面白い句だったのだが、耳で聞いただけで鴇田さんから裏をとってない(?)ので発表はひかえます。きっと「オルガン」で発表されるのではと期待しています)
トークショーはとても面白く、いい時間だった。
冬野虹さんの素描をみたおふたりの感想は……。
中本道代さん:あどけなく無垢で、どこか傷ついているものを感じた。
鴇田智哉さん:冬野さんが何を大事にしているのかすこし見えた。ものが重なっている表層にいるのだけれどそうでないところ(もっと深いところ)にかえっていく。素描という線で描くことはスリリングなものがある。
わたされたレジメより。
「病からの恢復、再生の感覚が、あえかな光のヴェールをかけわたしている」(中本道代「光のヴェールを『冬野虹作品集成』」)
「透きとおる明度は、虹さんの句の命だと思う。砂時計の筒のような明度、スライドのフィルムのような明度」(鴇田智哉『気と明度』)
トークショーが終るとワインパーティとなる。
その間の休憩時間。
ミルクホール。
四ッ谷龍さんにうかがったのであるが、このミルクホールは、鈴木清順監督の「ツィゴイネルワイゼン」の舞台となったところだという。
虹さんの作品が展示されている二階を見上げる。
展示に集まった人立ち。
存じ上げている人たちが多い。
橋本直さん、西村麒麟さん、小川楓子さん、宮本佳世乃さん、江田浩司さん(今日始めてお目にかかった)
詩人の杉本徹さんに久しぶりでお目にかった。
お元気そう。散歩にいそしんでおられるようで日焼けをされていた。
「俳句アルファ」の中島編集長さん、思潮社の藤井一乃さん、書肆山田の鈴木一民さん、俳人の永嶋靖子さん、折勝家鴨さん、大西朋さん、堀田季可さん、
高橋睦郎さんもお見えだ。
会場はそれはたくさんの人であふれていた。
ワインパーティがはじまる。
あしたりすにさんによる「シャーロットは見ているー冬野虹を歌うー」のライブもある。
くもりガラスをとおした夜の青が美しい。
盛況のうちにイベントは終る。
とても楽しかった。
帰りがけに四ッ谷龍さんからいただいた赤ワイン。
虹さんが愛飲していたもので、いつも箱買いをしていらしたそう。
わたしのお気に入りの素描の前で。。。。
(ふらんす堂「編集日記」2018/9/8より抜粋/Yamaoka Kimiko)