俳人協会「新年の集い」2020.1.16

 

俳人協会主催の「新年の集い」について少し紹介したい。

 

まず大串章会長の新年のご挨拶があったが、そこでちょっと驚くべきような内容が語られたのだった。
抜粋して紹介したい。

 

 

01

 

昨年は憂慮すべきというか、看過できない問題が浮上してまいりました。高校の国語に関する新指導要領が発表されました。これは2020年から実施される予定なのですが、その新指導要領によりますと、論理的、実用的なものを重視する。文学的なものが軽視されるということなのです。文芸家協会などでも非常に問題にしております。そうなりますと、国語の教科書をですね、たとえば契約書の書き方であるとか、あるいは地方自治体の条例とか法則などの書き方が重要視されるわけですね。そうなると専門家が指摘するところによると高浜虚子の俳句が高校の教科書から抹消されてしまうのではないか、というのです。これは俳人協会としては看過できない問題でありますので、今後慎重に動くなり、積極的に見ていきたいと思っております。

 

わたしは唖然としてしまった。
国語教育について、そのような動きがあることは知らなかった。
このあとのご挨拶で有馬朗人氏が、「このような方向は断固として阻止したい、そのために尽力したい」という旨のご挨拶をされたのだった。

 

 

 

 

 

 

「新年の集い」は、俳句賞の授賞式も行われる。

 

以下に紹介したい。

 

 

 第26回俳人協会俳句大賞  杉本光祥(「沖」)   一本の杭となりたる滝行者
         準賞   池内雅一(「対岸」)  終戦忌人を柱にしてしまふ
         準賞   相川 健(「鴻」)   五風十雨梅の実色を得つつあり 
      プラチナ賞   南光翠峰(「馬酔木」) 隠岐の牛島打つ雷にたぢろがず

 

 第3回新鋭俳句賞 準賞  木本隆行(「門」)   「纜」30句
          準賞   西生ゆかり(「街」)  「台所」30句

 

 第6回新鋭評論賞      岩田 奎(「群青」)  「百合山羽公の祝祭性」

 

 

 

 

02

 

俳人協会俳句大賞の受賞者の皆さま(大串会長を囲んで)

 

俳句大賞の杉本光祥さんについて、「沖」の千田百里さんは「山脈礼賛」と題して、

 

杉本光祥さんは自他ともに許す「山男」である。学生時代より親しんできたワンダーフォーゲルはその規模こそ縮小されたであろうが、今もなお継続されているようだ。(略)氏は人も羨む愛妻家として知られているが、更なる伴侶と言っても過言ではないほどの「山」を愛しつつ、これからも後進への指導に当たっていかれることだろう。

 

 

と記す。(会報「俳句文学館」より)

 

 

03

 

新鋭俳句賞の木本隆行さん(左)と西生ゆかりさん。

 

 

 

04

 

新鋭評論賞の岩田奎さん。

 

 

岩田奎さんについて、「群青」代表の佐藤郁良さんは、「鬼才の登場」と題して、

 

 

(略)奎君の評論は、対象となる俳人の作品を自分なりにしっかり読み込み、一次資料に立脚した上で、独自の視点から作者像を立ち上げてゆくというもの。持ち前の語彙を駆使しつつ決して難解ではなく、読者を引き込み納得させる力を持っている。今回受賞した評論も、そうした点が評価されたのであろう。

 

 

と記している。(会報「俳句文学館」より)

 

 

 

 

受賞者の皆さま、おめでとうございました。171.png171.png171.png171.png171.png171.png171.png

 

 

 

 

(ふらんす堂「編集日記」2020/1/15より抜粋/Yamaoka Kimiko)

 

バックナンバー一覧を見る

著者紹介

俳句結社紹介

Twitter