山の上ホテルで開かれた「第16回さろん・ど・くだん『夏井いつきさんとの夕べ』」。
左後列から、横澤放川、山下知津子、細谷喨々、橋本榮治、榎本好宏、井上康明先生
左前列、西村和子、夏井いつき、仁平勝先生
(参加したスタッフPが集合写真を撮り忘れて「俳句四季」の西井社長よりお写真ご提供頂きました。感謝です。(P))
黒田杏子先生は急なご入院でご欠席。
皆さん心配されましたが、次の日には退院なさるとのことでした。
黒田先生に代わり西村和子先生が司会をされ、黒田先生と夏井先生の師弟対談も開催予定でしたが、夏井いつき先生の大変聞き応えのある独演会に急遽変更になりました。
最初の1時間は俳句甲子園が構想から実現に到るまでの紆余曲折。
金銭的な問題から、人と人との絆、溌剌とした中学生高校生たちの様子など、“いつき節”で会場を沸かせていました。
ご自身が俳句を始められた20代の頃から、回りには同世代の俳人がひとりもおらず、「このままでは俳句の100年後はどうなるのだろう……」と、その思いから全てが始まったと仰っていたのが印象的でした。
夏井いつき氏。
富士山は高く素晴らしい山だけれど、その高さは裾野があってこそなのだ。
ただただ俳人皆が個々人の表現だけにとらわれていたら俳諧は高さだけは誇るかもしれないけれど、それは割り箸を縦に積み上げたようなものになってしまう。
私は俳句の裾野に種を蒔こう。
それにはどうしたら良いか。
考えあぐねた結果生まれたのが俳句甲子園だそうです。
後半の30分はご自身の俳句との出会いを飯田龍太や高濱虚子の句、また黒田杏子の句をあげながら季語との鮮烈な出会いを語られました。
かつては教壇に立ち子供達に教え、今やテレビ番組でタレントをバッサバッサと切り捨てていらっしゃる先生ならではの話術に、会場は楽しい雰囲気につつまれ参加者の皆さんは楽しいひとときを過ごされました。
(ふらんす堂「
編集日記」2019/12/11より抜粋/Yamaoka Kimiko)